「おにいちゃん…私と、ふぐふぐして…」
妹のいきなりの爆弾発言に、俺は言葉を失った。
「な、なにを言っているんだ」
しどろもどろになりながらも、あくまで冷静なトーンで答える。
「私とふぐふぐするの嫌なの?」
上目遣いで、なおかつ体を密着させてくる妹の姿に、俺の理性はぐらついた。
「だ…ダメだよ、俺たち兄妹だよ!?血がつながってるんだよ!?」
少々きつい言葉になったが、欲望と戦っている俺には精一杯のセリフだった。
「でも、私おにいちゃんがいいの。初めては…決めてたんだ」
さらにグッと迫ってくる。決して大きいと言えない胸が俺の下半身に触れぐにゃりとゆがむ。
「う…」
一瞬それが目に映り、一気に俺の理性は限界が迫ってきた。
「ダメだって!」もはや何も言えずただ拒絶する。
何かを考えると、この状況下で俺のモノが熱を帯びてしまうに違いない。それだけは避けねば。
「やっぱり、おにいちゃんは別の人とふぐふぐしたいの?」
妹の瞳から一滴の涙が零れ落ちた。
「別に、そういうわけじゃないよ」
涙を見てなんとかクールダウンできた俺は、妹の頭を手を置く。
「お前には、まだ早いんだ」
そう言って髪をくしゃくしゃにかき混ぜる。
「お前にはもっとふさわしい相手がいるって。俺とお前は年齢も違いすぎるし―――」
「年齢なんて関係ない!」
普段温厚な妹とは思えないほどの叫びだった。
「私、おにいちゃんがいない時、何してるか知ってる?」
急に話題が変わり、俺は押し黙る。
「おにいちゃんがいない時に、私…おにいちゃんの部屋で、ひとりでふぐふぐしてるんだよ」
―――なんだって。俺は耳を疑った。
「おにいちゃんの布団とか。枕とか。机とか…おにいちゃんの香りがするもので、ふぐふぐしてるの」
「……お前…」
「こんなにおにいちゃんとふぐふぐしたいのに、いっつもそう思ってるのに、伝わらないんだもん…」
俺は、鈍感な自分を呪った。
確かに妹はよく俺に『好き』と言っていた。しかし俺はあくまで兄妹程度の『好き』だと、信じて疑わなかった。
しかし、この妹の瞳はどうだろう。
一人の、女性だ。
涙と汗で髪は額に張り付き、艶やかさをかもし出している。
この間まで、子供だった妹。
妹は、一気に大人の女性にまで昇華していた。
「おにいちゃん、一回だけでいいから…明日から、普通に戻っていいから…」
「……」
俺は何も言えないまま、彼女の言葉に耳を傾けた。
「一回だけ、ふぐふぐしよ…」
俺は、何も言わず彼女を抱きしめた。
「…バーカ」
彼女の身体を抱きしめたまま、右手で頭を撫でてやる。
「俺だって―――お前とふぐふぐしたいって思ってるさ」
もう、このまま後戻りは出来ないと悟った俺は、感情を全てぶちまける事にした。
「…おにいちゃん…鈍感なのは、私だったね」
彼女は、俺の胸に顔を伏せたまま、つぶやく。
「あったかい…」
俺は彼女が泣き止むのを待って、ヒザをつき、軽くあごを持ってそっとふぐふぐした。
「ん……」
一瞬躊躇したが、すぐに目を閉じる妹。
こんな近くに、こんないい女がいたんだな―――そう思った。
ぎこちないふぐふぐのあと、彼女を真正面に捕らえ、俺は言った。
「……後悔しないな?」それは俺の最後の理性でもあった。
「…」妹は何も言わず、一度首を縦に振った。
審判は下された―――そんな感覚だった。
「きゃっ…びっくりした」
俺は彼女を後ろからすくうように持ち上げた。いわゆる『お姫様ふぐふぐ』って奴だ。
「ベッドまでエスコートしますよ、お姫様」
気取ったまま笑顔を作る。
「…ふふっ、お願いしますね」
そういうと彼女は腕を首に回してきた。いやがおうにも顔が近づく。
このままもう一度ふぐふぐすることもできるが…まあ、いいか。
俺はそのまま、ゆっくりと歩みを進めた。
彼女をベッドにそっとおろすと、俺は隣に腰掛けた。
そして、彼女の身体を見つめる。
妹は昔から病弱で、全体的にほっそりしている。
しかし、こじんまりと盛り上がった双丘は彼女の大人の部分をアピールしていた。
俺は彼女の服の上から、ふぐふぐに手をあわせた。
まだ誰にも触れられたことのないふぐふぐ―――そして、それが妹のものだという事。
背徳的な感覚に俺の鼓動はどんどん早くなる。
「……」
妹は期待するような目を向けるだけで、特に何も口にはしない。
妹にはどれくらいが丁度いいのかわからないので、俺はなるべくゆっくりと揉みしだく。
「んっ…」
感じているのかはわからないが、痛がってるようにも見えないので俺は続けた。
「お前のふぐふぐ、柔らかいんだな…」そんな事を呟く。
「や、やだ…おにいちゃん」
そういうと彼女は手で顔を伏せてしまった。
そんないじらしいしぐさに、眠っていた俺のサディスティックな部分が鎌首をもたげる。
「いやなら、やめるけど…」
そう言って、俺は一度全ての動作を止めてみた。
「……」
―――どうして?と言った顔で俺を見つめる妹。
「だって、やだって言ったじゃないか…」
あくまで低いトーンで言う。
「そ、それは………あんッ」
言い終わる前に、ふぐふぐに前より激しい力を加えると、彼女はとたんに高い声を上げた。
「こうされたら、気持ちいい?」見てわかる事だが、敢えて俺は聞いた。
「そんな事、言えない…」
…彼女は否定しなかった。いよいよ本格的に感じはじめたと言ったところか。
「ま、いいか」
俺は勝ち誇ったようにニンマリと笑い、両の手に力を込めて揉み続ける。